30歳のキャンパスノート

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文房具は、「コトバ」を使う生き物である人間にとって必要不可欠な道具だ。だからこそ、そこには様々な工夫とアイディアが投入されているし、他の道具以上に使い手としての思い入れも深まる。

キャンパスノートといえば大学ノートの定番だが、コクヨのニュースリリースによると、発売から30周年を迎えたという。つまり発売開始は1975年。ベトナム戦争が終わり、広島カープが優勝した年で、僕なんてまだ5歳だった。「定番」ではあるが、もちろん30年の間には何度か大きなモデルチェンジが行われている。

写真でいうと、一番左が1975年の初代モデル、その右隣が1983年の2代目モデル、その隣は1991年の3代目モデル、一番右端が2000年の4代目モデル(最新型)になる。

今、ざっと手持ちの大学ノートを調べてみたら、3代目と4代目が残っていた。また、2代目は中学・高校・大学時代に相当使った懐かしいデザインだ。初代の記憶は曖昧だが、まだ小学生で、本格的に大学ノートを使い始める前だったのだろう。累計17億冊を出荷した大ベストセラーだけあって、洗練されたデザインと、確かな品質に裏打ちされている。 

「大学ノート」という名前の由来は何か。

コクヨによれば現在の学習用ノートの原型が誕生したのは1884年で、帝国大学(現在の東京大学)の前にあった「まつや」という店で製造・販売されたものだという。糸綴じ製本でグレーの表紙、中はクリーム紙で罫が引いてあったそのノートを帝大の学生がこぞって買い求め、いつしか店側が「大学ノート」と名づけて売り始めた。コクヨが「キャンパス」と銘打ったのも、このような歴史的な流れを意識してのことかもしれない。 

コクヨは、キャンパスノート30周年を記念して、特別に昔のデザインを数量限定で復刻販売するという。4つのデザインを1冊ずつパッケージしたセットで、最新版の2000年型モデルについては特殊加工のメタリックカラーになっている。 学生の頃に比べて最近はノートを使わなくなった。だが、自分の手で何かを書く、という行為は頭の中を整理する意味ですごく大切だと思う。PCのエディタで文章書くのとは全然性質の違う何か。そこには「余白」がある。

懐かしいキャンパスノートの表紙デザインを眺めながら、授業中にノートの余白に好きなバンドのロゴとか歌詞とか落書きしていたあの頃を思い出した。